昨年度(2023年度)の労働基準監督署の賃金未払い事案の指導結果が公表されました
今月(8月)昨年度の労働基準監督署が未払い残業代に代表される賃金不払が疑われる事業場に対して監督指導(立入調査)を行った結果が発表されました。
概要は以下になります。
1 2023年度に全国の労働基準監督署で取り扱った賃金不払事案の件数、対象労働者数及び金額は以下のとおりです。
(1)件 数 21,349件 (前年比 818件 増 )
(2)対象労働者数 181,903人 ( 同 2,260人 増 )
(3)金 額 101億9,353万円( 同 19億2,963万円 減)
2 労働基準監督署が取り扱った賃金不払事案のうち、2023年度中に、労働基準監督署の指導により使用者が賃金を支払い、解決されたものの状況は以下のとおりと、要は労基署の立入検査で発覚した未払い賃金事案については、ほぼほぼ支払い済という着地となっています。
(1)件 数 20,845件 (97.6%)
(2)対象労働者数 174,809人 (96.1%)
(3)金 額 92億7,506万円 (91.0%)
なお、前年度比、賃金不払事案件数、対象労働者数が増加するも、金額減となっていますが、1か月に60時間を超えて時間外労働をさせた場合は、その超えた部分の労働については、50%以上の割増賃金を支払わなければならない(労働基準法第37条第1項ただし書)という改正労基法の中小企業への適用開始は2023年4月1日からでした。あるいはこの辺りの影響によるものかもしれません。
また、業種別の状況は以下の通りです。ご参考までに。
なお、詳細は 賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和5年) をご参照ください。
以 上