非正規雇用労働者の賃金引上げに向けた同一労働同一賃金の取組強化期間がスタート
厚生労働省は、3月15日から5月31日までを非正規雇用労働者の賃金引上げに向けた同一労働同一賃金の取組強化期間とすると発表しました。
毎年恒例の春闘も、今年は例年とは異なる様相。ウクライナ問題や原材料の値上げ、日本では加えて円安も加わり、値上げが相次ぐという情勢から、これまでとは異なる賃上げとなるようです。厚生労働省は、15日、久々に開催された政労使による意見交換会も踏まえて、この賃金引上げの流れを中小企業・小規模事業者の労働者や非正規雇用労働者にも確実に波及させるための取組として、この強化期間の設定を考えたようです。
具体的には15日付で、経済団体・各種業界団体・自治体等に、賃金引上げの流れを中小企業・小規模事業者の労働者及び非正規雇用労働者に波及させるための協力依頼の文書を発出しています。同時に特に非正規雇用労働者が多い業界の団体等に対し、厚生労働省から直接働きかけを実施するとしています。
さらに、同一労働同一賃金に関するパート・有期雇用労働法及び労働者派遣法の履行確保のための取組の強化を行うとしています。
注:PMPでも東京労働局で派遣法を所管する需給調整課のある指導官から、特定の派遣会社の同一労働同一賃金のための労使協定内容を確認したところ、賃金表で世間相場を下回る事例を確認し指摘したところ、その派遣社員の賃金を見直し、差額を遡及払いした事例があるという話を聞いたことがあります。行政が民間企業の社員の賃金決定に、特に世間相場を理由として影響を与えることの是非は兎も角として、今の日本は、労働者の賃金を引き上げるためになりふり構わずという状況に陥っているようにも思えます。
なお、厚生労働省が昨年12月から開始すると発表したした“労働基準監督署”と都道府県労働局が連携した同一労働同一賃金の徹底に向けた取組については、3月から本格実施するとしています。労働基準監督署の連携による各都道府県労働局による報告徴収等は、4月から本格的に実施されることになります。ご留意ください。
関連記事として、22年12月19日 PMP News 「同一労働同一賃金に労働基準監督署が乗り出す!?」 もご参照ください。
以 上