アメリカ – テレワークの新しい動き!?
2023年、日本でも5月には新型コロナの感染法上の位置づけが2類から5類に変更されることが予定されており、これに先立つ今月13日からマスク着用のルールも個人の判断が基本と変わることになります。
注:英語版のマスクルールを見つけましたのでご紹介しておきます
このように今やPostコロナの新しい日常を迎えつつあります。
そこで、日本より先にPostコロナを迎えたアメリカの働き方をチェックしてみました。
なお日本のテレワーク、欧米ではリモートワークといわれています。
さて、2023年になり、アメリカの大手企業の中には、リモートワークの時計の針を戻し、従業員が職場で過ごす時間を増やすことを求めているところも出始めているような気がします。
昨年6月、テスラ社のイーロン・マスク氏が、No more Remote Workingという標題で、“office must be a main Tesla Office, not a remote branch office”と社内に向けて発信しました。当時は“あの”イーロン・マスク氏ということもあり特殊なケースとしてとらえられていたようですが、昨年後半からやや様相が変わってきたように思います。
23年に入り、例えば、ディズニー社は3月から週4日の出勤の指示を全社員に向けて発しました。
「今こそオフィスへ戻る時だ。失われた真の人間的つながりを取り戻そう」とは、1月から週3日のオフィス出勤を開始するにあたってのスターバックスCEOハワード・シュルツ氏の言葉です。
LinkedInは1月に、昨年22年3月には、求人票の20%以上がリモートワークだったのが、11月にその割合は14%に低下しているという調査結果を発表しています。
リモートワークの中心であるIT企業の中にも、グーグルやマイクロソフトなどのように、一部に対してですが、週3日から週4日のオフィスへの出勤を模索する動きが観察されます。
この出勤回帰の動きは、“職場で同僚と一緒にいることで刺激される創造性や成長機会”を再認識した結果であると言われています。
しかしながら、一方で、働く側からは依然としてリモートワークを求める声は大きく、ある調査によれば、リモートワークが認められない場合その会社を退職すると回答した社員は32%、という結果でした。
アメリカの今の状況を見ると、2019年のパンデミック前の状態に単純に戻るのではなく、出勤とリモートワークを組み合わせたハイブリッド型の新しい働き方に向かっているというのが正確な分析であるように思えます。
オフィス回帰の指示をした企業でも、柔軟性を欠く一律のリモートワーク廃止の動きはなく、同時にリモートワークの継続も申請あれば認めるような柔軟な対応となっています。
企業が目指すべきは、オフィス回帰かリモートワーク継続かといういずれかの選択に限定するのではなく、わが社にとっていかに効率的で生産性の高い労働力を創出していくかが、新しい働き方を決める上での出発点のようです。
その際、リモートワークの利点である、①長い通勤時間の解消 に加えて、②育児など家族と過ごす時間を増やすことができる といった会社で働く社員の個人としての充実したLife Styleの形成を会社が支援するという面も忘れてはなりません。狭い意味の労働効率の議論だけで本件の結論を出してはならないと思います。
さらには、人出不足の労働市場にあってはリモートワークを十分に可能にするだけの柔軟なハイブリッド型の働き方の仕組みが厳しい採用戦線での競争優位を持つということも考慮すべき重要な点となります。
いつどこで仕事をするのか ということを再点検して、Postコロナの新しい働き方を追求していただきたいと願っています。
以 上