妊娠中の女性社員向け – 休暇取得支援助成金の創設(ただし適用は5月7日からという遡及扱い!) – 新型コロナウイルス対応 #42
5月8日付PMP News Letter「妊娠中の女性社員への配慮(5月7日付) 新型コロナウイルス対応 #28」にてご案内していました。
この度、これに関連して、医師等から新型コロナウイルスに関する母性健康管理措置として休業が必要とされた妊娠中の女性社員に通常の有給休暇制度とは別枠で有給(賃金相当額の6割以上)休暇制度を整備、5日以上取得させた事業主向けの助成金が新設されました。発表は6月12日(実際は13日でしたが、、、)でしたが、その前の5月7日(緊急事態宣言から来年1月31日までの休暇が適用となります。
なお、①就業規則への規定化にはこだわらないが、特別休暇としての社員宛周知は最低でも必要 ②休暇制度の整備は9月30日までに済ませる事 ③欠勤などを事後的に本制度の適用対象としても構わない ④支給申請期限は来年2月末日まで とされています。
妊娠中の女性社員の健康保全はこれまでも十分な配慮が必要でしたが、新型コロナウイルスの感染リスクを考えると、これまで以上の健康保全措置をとる必要があります。一方でウイルスが目に見えず、感染経路不明の感染者も珍しくない事までを考えると、職務内容(特に対面性の有無と程度)、職場環境(執務室内ばかりでなく、トイレ、エレベーター・階段、休憩の場所等々)、さらには通勤事情まで、感染リスクを排除する事は不可能だと思います。
妊娠中の女性社員が働き続けたいという意思も十分尊重すべきではありますが、企業経営のリスクマネジメントの観点からは、主治医や産業医意見に基づく休業措置に基づいて臨時に特別休暇制度を設ける事は十分に価値あるものと考えます。仮に主治医等の専門家から休業の積極的意見がない場合でも、女性社員の同意のもとで、人事部が主治医等に連絡をして妊婦の健康保全措置を確認する流れから休業のアドバイスを取り付け、早めに休ませるという対応までを検討する必要があると思います。
新型コロナウイルスの労災が認められた事例は、まだ医療従事者のわずかな事例しかないようですが、企業の健康保全という義務には、大きな潜在的リスクが常に含まれているという事を人事が経営者や現場管理者に知らせる事が大切だと思います。
新設助成金の詳細情報は「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援助成金リーフレット」並びに「Q&A」をご参照ください。
リーフレット:https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000639253.pdf
Q&A: https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000639553.pdf
以 上