5 Tips for work at home

5 Tips for work at home

政府は新型コロナウイルス対策として、テレワーク(“テレ”はずいぶんと古い表現ですね)を推奨しています。厚労省も、導入の注意点などを盛んに発信をしていますが、労働基準法を主とするComplianceとせいぜい情報Security程度までの発信のように思えます。導入の枠組み作りばかりを気にしています。
これも重要ではありますが、もっと大切なのは導入ではなく運用だと思います。いかに快適にテレワークを実現するのか、マネジメントの視点で言えば、労働生産性をいかに落とさないか、あるいは、いかに高めるかと言う点です。
厚労省傘下の日本テレワーク協会では以前、118ページにも及ぶ在宅勤務アイデア集を発表していました。事例紹介の羅列に過ぎず、情報の垂れ流しと感じました。ところが今はそれも無いようです。“お問い合わせください”とあるのみです。まさに役人の情報発信ですね。ユーザーフレンドリーとは思えませんし役にも立ちません。
行政からすれば重要なのはComplianceなのでしょう。企業は行政にはそれ以上を求めてはなりません。企業の人事は一方でComplianceで思考停止しては務めを果たしたことになりません。Complianceは出発点でしかありません。

PMPが今回ご紹介するのはイギリスBBC発信のWork at Homeの5つのTips=注意事項です。10年以上Work at Home(以下WAHと略します)を実践しているPMPの経験も挟みながら順にご説明します。

WAHの1つ目のTipは“服装はキチンと”。
WAHではそれこそパジャマのまま仕事を始めるなど、ついやりがちです。ラフでも構わないので、仕事をする格好を整えることが大事です。PMPでもWEB会議の際に「今日はスッピンなのでPCのカメラは切断します」という発言に出くわしたりも—。笑って許していますが、まずは服装から整えること。仕事開始の心構えにも通じます。

2つ目のTipはon offの区別を明確にすることです。
厚労省は、通信機器の常時接続、社員からの切断禁止と言う条件でテレワークの際にも使用者に労働時間管理義務を負わせようとしています。そこで思考停止しています。
そもそも企業の労働時間管理の出発点は実働時間の把握です。役人が言う、始業・終業時刻の確認、とかタイムカード、ICカード、パソコンの使用時間等の客観的な記録だけでは実働時間の把握はできません。
新型コロナウイルスで学校が臨時休業となれば、就業規則で規定している通常の就労時間中に子供の世話が必要になり就労を一時中断するかもしれません。夕食の準備のため、午後には近所に買い物に行くかもしれません。WAHはそれでもかまわないのです。そのようなことまで上司がいちいち管理するのでしょうか?
厚労省が言う通信が継続していても、実際は社員が上司の目の前で就労しているわけではありません。通信はそのままでも、頭は仕事以外のところに飛んでいる状態もあるかもしれません。上司は到底気が付きませんね。それでもその時間は働いているのですか?
大切なことは、WAHでは就労時間の実際の管理は各自に委ねることです。就労中は職務に専念してもらいましょう。その代わりに各自の事情に応じて裁量で弾力的に仕事を中断することも認めましょう。これがWAHです。
On offの区別を厳格にして、ずるずると仕事をさせないことです。
逆に役人が言う通りの状態で、上司が部下が始業から終業まで家で職務に専念していたか=実働時間の確認などできますか?
通信機器の常時接続のままでシステム的に時間を記録するのは、それをもって労働時間管理をしたことにした方が、役人にとって都合が良い、過労死などの司法判断もそのようにしているという理由に過ぎません。企業にとって一番大事な実働時間の把握などはどうでも良いことだという役人のロジックに気が付かなくてはなりません。
WAHでは社員にon offの切り替えを徹底させ、onのときは職務に専念する、一方で様々な都合で仕事の一時中断は各自の裁量に委ねる、これが一番です。上司の役割は異常値の発見と素早い修正です。
例えば、早過ぎる時間や遅過ぎる時間のメール発信や、メール応答までの所要時間や頻度などは観察してください。上司は社員の就労状況の異常の発見に努めることに注力すべきです。これであれば上司の負荷はさほど大きくはありません。
PMPでは通信機器の常時接続など10年間命じたことはなく、通信機器の切断は本人の裁量に委ねています。その一方で異常の発見には常に注意を払っています。今のところ何の問題もありません。

3つ目のTipは「気分転換が必要、できれば外出を」。
通勤行為は、仕事開始に向けての準備でした。WAHではこれがなくなります。そこで必ず靴を履いて外出させましょう。外気にあたる事でリフレッシュにもなります。お出かけは、気分を転換させ仕事への集中力を一層高める事に役立ちます。

4つ目のTipは“電話しよう”。
ともすればWAHは一人=孤独に仕事し続けます。1日の中でたまには上司や同僚に電話を入れおしゃべりをしましょう。普段は社内で同僚と何気ない雑談をしていたはずです。
これも大事な気分転換です。PMPではよく社内WEB会議を行います。前後には、お互いの顔を見ながら近況報告やその日の出来事などの雑談が必ず入ります。そんな時間が大切です。

最後の5つ目のTipは必ず休憩をとる事。
休憩時間の付与は使用者の義務です。しかしながらタイムシートには機械的に毎日1時間の休憩時間を記録してはいても、実際の取得は社員任せ、それほど管理もしないというのが実態ではないですか?規則通りの休憩時間をキチンと取得しているか上司は毎日確認していますか?実際はかなりいい加減のはずです。現状のままでWAHに移行すると、キチンと休憩を取らない人が多数出る恐れがあります。休憩は必要です。一人で一日仕事をするリズムを作り出すためにも、休憩時間の取得を強く奨励してください。
何も昼休みに限る必要はありません。午後や夕方のお買い物を休憩時間に充てても構いません。要は弾力的に休憩をとる事を勧めてください。仕事のリズムに大きな影響を与えます。

今回ご紹介した5 Tips for WAH workersをぜひ参考にしていただき、労基法とか規程を超えた、楽しく効率的なWAHのノウハウを各社工夫して作り上げていただきたいと願っています。

※PMPは労働基準法に準拠し、会社の情報セキュリティにも十分配慮したテレワーク規程整備のお手伝いを積極的に行っています。ご関心ある方はPMPにご連絡ください http://www.pmp.co.jp/contact/

以  上