最低賃金の各国との比較をしてみました

最低賃金の各国との比較をしてみました

9月13日付 PMP News『全ての都道府県の新しい最低賃金額の答申』で、日本の全都道府県の新しい最低賃金についてご紹介しました。

偶々、イギリスの最低賃金情報を入手しました。2025年4月から適用する新しい最低賃金額は、前年比 6.7%増の時給 12.21ポンドとのことです。最新の為替相場で換算すれば時給 2,407円となります。因みに東京の10月からの最低賃金は 1,163円(前年比 +4.5%)でした。
他の諸国の最低賃金も調べてみました。結果は以下の通りです。
興味深いのはアメリカの最低賃金額が極めて低い点ですが、まずアメリカの 7.25 ドルは連邦で定める最低賃金額であり、実際には各州がこれを上回る、州としての最低賃金額を定めているということです。
それでも、この 7.25 ドルを適用される労働者もいるはずですのでこれを追いかけたところ、全労働者数の1%未満とのこと。実はこの “未満” がどの程度なのかは不明なのですが、下回っていることは確かのようです。
そうなるとアメリカの連邦最低賃金額はあまり意味のあるものではなさそうですね。とは言え、連邦議会で最低賃金額の改訂を行う際、「大きな政府」の民主党と「小さな政府」の共和党間で、「市場に政府が定める最低賃金が介入することの是非」という理念上の争いが起こり、中々決着せずに結局は金額もそのままになっているというような話も漏れ聞こえてきました。

因みに日本の最低賃金適用対象者はちょっと古い2018年の統計ですが、男性 9.2%、女性 13.4%、直感的にはコロナを経て、非正規労働者数が増えているはずですので、この比率はさらに上がっている可能性があります。
因みに冒頭ご紹介したイギリスの最低賃金の適用対象者は 6%程度とのことです。

以    上