23年賃上げ3.7%!連合の中間報告
4月5日に日本最大の労働組合の全国中央組織である連合が、今年の春闘結果の中間報告をリリースしていますので、ご報告します。連合によれば
○ 賃上げ要求 4,248 組合中 2,290 組合が妥結済みとなっており、約 6 割にあたる 1,377 組合(60.1%)が賃上げを獲得。
○ 平均賃金方式で回答を引き出した 2,484 組合の加重平均は 11,114 円・3.70%(昨年同時期比 4,795 円増・1.59 ポイント増)。
○うちの中小(組合員 300 人未満)組合 1,528 組合の加重平均は 8,554 円・3.42%(同 3,429 円増・1.36 ポイント増)。
○いずれも、2013年 以降で最も高い昇給実績。
連合はこれを「中堅・中小組合が、先行組合が作り出した『賃上げの流れ』をしっかりと引き継ぎ、組合員の生活の安定や『人への投資』と月例賃金にこだわった粘り強い交渉を行った成果」と評価しているようです。なお、
○ 有期・短時間・契約等労働者の賃上げは、加重平均で、賃上げ額は時給 58.70円(昨年同時期比 33.18 円増)・月給 8,897 円(同 3,313 円増)、引上げ率は概算でそれぞれ 5.55%・4.00%となり、一般組合員(平均賃金方式)を上回った。
とのことです。
この結果は、派遣会社からの派遣料金の引上げ等に関係してくるかもしれません。
昨年12月12日付 PMP News では、連合の5%の賃上げ要求を取り上げ、今回、昨年2022年の賃上げ率2.27%を上回ることはあっても、せいぜいが要求水準の半分を超える程度、3%超えは難しいのではないかとのコメントとしていました。1月末に、労使あるいは労働経済の専門家見通しは2.75%でした。その意味では、今年は今までの傾向とは異なる賃上げ結果となりそうな勢いとなっています。
今回は連合の中間報告ですが、今年の賃上げ結果については、全貌が判明次第、別途PMP Newsでご案内いたします。
この中間報告を振り返ると、今年に入り、組合からの賃上げ要求に対してトヨタなど一部の大手企業が早期に満額回答を行い、3月15日には岸田総理が自ら賃上げ実現に向けた政労使の意見交流会を行うなどの動きが、当初の見通しを上回る賃上げ結果に繋がったものと言えます。
以 上