在宅勤務の実態 – 人事院による民間企業の勤務条件制度等の調査から
人事院は国家公務員の勤務条件を検討するため、民間企業の勤務条件を調査しています。この調査の令和2年版が発表されました。
この調査に、令和2年度=コロナ禍における在宅勤務の調査結果がありましたのご報告します。
調査は従業員数50人以上の全国の企業を対象に実施されました。(全国45,494社中 7,534社の回答)
在宅勤務の実施状況は、以下の通りです。他の調査結果と同様、全体の3分の1程度の実施状況となっています。ただし、社員数500人以上規模の企業では64%という水準である事は注意をしましょう。
次に、在宅勤務に対する経費の負担状況です。経費負担せず、とする企業が全体の65%、社員数500人以上の規模の企業では70%が負担していないという調査結果とのこと。
この調査結果は筆者の予想を下回りました。コロナ禍の真っ最中の昨年、在宅勤務を導入する企業事例が数多く紹介され、在宅勤務推進のために企業がいかに費用を負担しているかが盛んに報道されていましたが、実際は負担しない企業の方が多いようです。またこの傾向は社員数の多い企業ほど、強まるようです。
厚生労働省からは「テレワークに要する通信費、情報通信機器等の費用負担等については、労使で十分に話し合い」とし、労働基準法第89条第1項第5号を引用して、「労働者に情報通信機器、作業用品その他の費用の負担の定めをする場合には、当該事項について就業規則に規定しなければならない」としています。
最後に、在宅勤務に対して企業が費用負担する場合の経費の支給月額の調査結果をご紹介します。
下表の母集団は、在宅勤務に対する経費について毎月支給している企業となります。概ね月額3,000円~4,000円、5,000円~6,000円という水準であるとの調査結果です。
PMP Newsでは、2021年1月26日号で「在宅勤務手当 – テレワークその3」と題し、在宅勤務手当額を試算しました。その時は月額3,000円から5,000円程度というPMPなりの試算結果をご案内しました。Ball Parkとしてご容赦いただけると幸いです。
今回引用した人事院調査結果は以下となります。労災時の法定外給付や、同一労働同一賃金を意識したのでは?とも思える有期雇用者の休暇制度について民間企業の実態が報告されています。
人事院 民間企業の勤務条件制度 (令和2年調査結果)
以 上