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2020.07.21
- 労働行政の動向
誰もが「自分を発症2日前の感染者であるという意識を持って行動する」

With Coronaでの経済の回復を目指すフェーズに入りました。
アクセルとブレーキの二つを状況に応じて機動的に踏み分ける事が求められています。
内閣府や厚生労働省からの企業向け情報発信には、7月に入り注目すべき新しいものは殆どありません。個人的には価値ある情報は皆無であると思っています。
その一方で、感染者数は増加基調にあります。対して、人々の活動範囲は広がり、活発になっています。
感染拡大の潜在リスクは高まっています。
リスク値が上昇すれば、新しい対応を検討するのがリスクマネジメントです。
経団連では企業向けに感染予防のガイドラインを発信しています。
ご参考:経団連 オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防ガイドライン https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/040_guideline1.html
出社前の体温チェックに始まり、オフィス入り口の消毒液の常備、マスクと咳エチケット、うがい手洗いの励行、執務室内ソーシャルディスタンス、会議室内での定期的な窓開けや強めの空調による換気など、きめ細かい対策が取られています。
しかしながら、オフィス外ではどうですか?
社員の家族が感染すれば、濃厚接触者として社員の出社は控える事になります。夜の盛り場で社員が感染すれば、その影響は直ちに企業に及びます。
感染リスクを考えれば、社員一人一人の就労時間外の会社の指揮命令から外れる時間帯での行動までも考慮し、注意喚起をする必要があると思います。社員の日常の行動を会社が直接規制する事はできませんが、感染リスクを考えた適切な行動を促すことは意味あると思います。
予め、社員が感染した場合は、感染拡大防止の目的から、社外も含めて発症前2週間の行動の事情を聴取する事がある旨、周知しておきましょう。もちろん社外の行動までを報告させる強制力はありません。あくまでも同意の上での聴取でしかありません。それでも予めそのような可能性がある事を知らせておき、その時はぜひ協力して欲しいと言っておきましょう。
オーストラリアシドニー在住のPMPコンサルタントからの情報です。
ゴールドコーストで馴染み深いクイーンズランド州。感染者は1名(7月20日)、規制緩和のステージ3に移行し、カジノやフードコートも再開されています。例外を除いてを除いて国内他州からの移動制限も原則なくなりました。
その例外がメルボルンのあるビクトリア州です。クラスターが発生。感染者数が急増しています。7月7日感染者数191人の段階でビクトリア州は6週間のロックダウン措置を決定していますが、最新(7月20日)の感染者数は374人(1日あたり3万件近い検査数ですが)と止まりません。マスクの着用を義務付け、違反者は200ドルの罰金としました。州境を封鎖し感染拡大防止に懸命です。
またそんなビクトリア州の現状から、オーストラリア政府は国民に対して以下のようなメッセージを出しています。
「COVID-19 の規制が緩和され、より多くの人々が、自宅やホテルやレストランなどで人と会うことができるようになりました。残念ですが中には、人との交流において、ソーシャルディスタンスの確保を怠っている人もいます。これは、COVID-19 の影響を受けやすい他の家族(特に高齢者)や、より広い地域社会を危険にさらすことになります。」
「友人に会って飲みに出かけたり食事をしたり、家を訪問したりする際には、必ず適切なソーシャルディスタンスを確保し、安全を心がけるようにしてください。」
日本でも、各企業は社員一人一人に、社内でも社外でも、必ず適切なソーシャルディスタンスを確保する」事を徹底されたらいかがでしょう。夜の街や、友人同士の飲み会やカラオケパーティーなどへの不用意な関わりへの抑止力になるようにも思います。
お許しも頂いたのでご紹介します。PMPが親しく情報交換をしている産業医の先生からのメッセージです。
「コロナウイルスは目に見えません。これだけでも厄介な存在ですが、発症前でも他人に感染させる力を持っています。そこで、今は、一人一人が常に「自分は今、コロナに感染し発症2日前だ(感染力が一番強いと言われている時期です)」と思って行動をしましょう。」
発症2日前ですので、元気です。しかしながら周囲に感染させるかもしれません。そう思うと、自らの行動に一定の抑制が働くと思います。
今はまだその時期のようです。
以 上
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