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2020.05.18
- 労働法改正
労災認定 – 業務による心理的負荷評価表の見直しの検討➡(続報)5月29日付正式決定 (基発0529第1号) – 6月からのパワハラ防止法の施行に伴い
6月1日(但し、中小企業は2022年4月1日)より改正労働施策総合推進法(以下「パワハラ防止法」とします)が施行され、パワハラの防止対策が企業義務となります。
注: PMP News Letter 2020年2月18日 付『パワハラ対策が事業主の義務になります』ご参照ください。
https://www.pmp.co.jp/category/revision_to_the_labor_laws_and_regulations/
これを受けて、厚労省専門検討会での精神障害の労災認定の際に活用される「業務による心理的負荷評価表」の見直しが発表されたのでご案内します。
1.見直しの概要
① 「業務による心理的負荷評価表」の「具体的出来事等」にパワーハラスメントが追加されました。
② 従来の「具体的出来事等」には「対人関係」の項目があり、この項目で、実際のパワーハラスメント案件をカバーしていましたが、パワハラ防止法施行に伴う専門検討会の議論によれば、パワハラには対人関係の相互性の中で生ずるとは限らないという問題が提起されました。
③ 以下の事例をパワーハラスメントにおける心理的負荷を強とします。(注:ゴシック体が強と認定されKey Wordと判断します – PMP)
1)上司等から、治療を要する程度の暴行等の身体的攻撃を受けた場合
2)上司等から、暴行等の身体的攻撃を執拗に受けた場合
3)上等による次のような精神的攻撃が執拗に行われた場合
・人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない又は業務の目的を大きく逸脱した精神的攻撃
・必要以上に長時間にわたる厳しい叱責、他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責など、態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃
④ 心理的負荷としては「中」程度の身体的攻撃、精神的攻撃等を受けた場であって、会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった場合
2.関連して
① 当該行為が反復継続される場合は、セクハラと同様に発病の6か月よりも前に開始されている場合、発病前6か月以内の期間に継続している場合は開始時からのすべての行為を評価の対象とする。
② 従来の「対人関係」にはパワーハラスメントから外れる場合 – パワハラは職場における優越的な関係という職場の対人関係の一部を前提としている – もあるため、削除しない。
6月のパワハラ防止法施行に伴い、職場のパワハラの労務問題がさらに顕在化するリスクがあると思われます。かかる労務問題はメンタル系疾患を併発し、労災申請に発展する可能性も否定できません。厚労省では、「業務による心理的負荷評価表」の見直しにより、労災請求の容易化、審査の迅速化を狙っています。
企業の立場から言えば、パワハラの潜在的リスクがさらに大きくなるものと言えます。
人事の方々は、社員、特に管理職に対して、一層の注意喚起を促し、パワハラ予防に万全を期すべく対応をお願いします。
詳細は厚労省HP https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11305.html をご参照ください。
以 上
(続報)
ここでお知らせした業務負荷表が5月29日付厚生労働省通達(令和2年5月29日付 基発0529第1号)で正式に公表されましたので、続報としてお知らせいたします。
心理的負荷による精神障害の労災認定基準を改正しました https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11494.html
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