労働時間関連
企業名公表の基準の厳格化
今月4日付PMP通信では、厚労省が発表した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」について簡単に留意点をお知らせしました。
今回も「過労死等ゼロ緊急対策」の一環として、厚労省の新しい通達「違法な長時間労働や過労死等が複数の事業場で認められた企業の経営幹部に対する都道府県労働局長等による指導の実施及び企業名の公表について」(基発0120第1号)についてご案内します。
(伴いこれまでの通達(基発0518第1号)は廃止となりました。)
企業名が公表されてしまうと、Reputationも含めて企業は大きなダメージを受けます。
通達では「複数の事業場を有する社会的に影響力の大きい企業」に対して、「都道府県労働局または労働基準監督署長による指導」を強化するとしています。
具体的には、
①本社管轄の署長による経営幹部への全社的な是正・改善指導(労基署)と
全社的な改善状況の確認=立入調査がなされ、この立入調査においても違法な長時間労働又は複数事業場での過労死等の発生が認められ、労働時間関係違反の是正勧告を受けると、
②本社管轄の局長による経営トップへの是正指導(労働局)とエスカレートし、併せて企業名と違反の実態等が公表されるというステップとなります。
この1年間に2か所以上の事業場あるいは本社で2回以上、労働時間関係違反の是正勧告を受けている場合はくれぐれもご注意いただきたい。
1年以内に3事業場以上という従来の基準が変更されました。「まだ1回だけ」と安心できません。次の臨検が控えているかもしれません。
また、時間基準も100時間から80時間に拡大されていますので、過去1年に調査を受けていなくても1事業場で10人以上または4分の1以上の労働者に1か月80時間を超える時間外労働・休日労働が認められ、36協定違反がある場合は注意を要すると思われます。
詳しくは通達全文はhttp://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/151106-05.pdf をご参照いただき、わが社のリスクを正確にご判定いただきたいと思います。
リスク管理の観点からは、「労働時間の適正な把握」(4月4日付PMP通信)をしっかりと実現すると同時に、労基署による監督に際し是正勧告を受けることのないように予め臨検に備えておくことが重要となります。
PMPでは経験豊富な特定社会保険労務士やコンサルタントによる御社の労働時間管理の監査サービスを実施しています。
ご関心ある方はPMPまでご照会ください。
(厚労省 発表資料 http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/151106-03.pdf より)