マイナンバーの実務上の留意点 その2
– 所得税法施行規則の改定等 –
そろそろ、各世帯あてにマイナンバーの通知カードが送られてくる頃となりました。
しかしながら、この時期に、源泉徴収票や雇用保険の手続き関連で新しい情報が関係行政から発信されています。
10月2日付(!)所得税法施行規則の改正があり本人宛に交付する源泉徴収票(支払調書も同様)の個人番号記載が不要となりました。混乱しがちですが、個人番号の記載が必要な源泉徴収票等は税務署に提出するものに限ります。詳しくはhttps://www.nta.go.jp/mynumberinfo/FAQ/kokuzeikankeifaq.htmをご参照ください。
雇用保険手続きについては来年1月からマイナンバー対応となりますが、実は未だに手続用書式すら正式決定されていません。先月15日にQ&Aに“Silently”に「個人番号の届け出義務は努力義務であり、個人番号を記載しなかった場合や誤りがあった場合でも罰則規定はない。」と追加記載されています。http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000093276.pdf
これを根拠にマイナンバー対応を止めようという決定は不味だと思いますが、1月から必ず対応をしなければならないはずと認識しているものの、まだ準備ができていないという会社は、焦らず会社としてのリスク回避策を十分に練ってからでも良いようにも思います。
11月頃にマイナンバーの収集を考えている会社は多いようですが、収集すればマイナンバー管理等のリスクが発生します。収集時期の再検討も必要と思います。
マイナンバー制度の開始は決定事項であり、既にその準備は終えたとする会社も多いかと思いますが、前提となる行政がいまだにこういった状況です。セミナーに出席し、それに則して準備は終わったとして思考停止にならないでください。この時点でもマイナンバーセミナーでは冒頭必ず「現時点での情報に基づく説明」と言っているはずです。
マイナンバー対応の原則は今は必要最低限に留め、行政からの情報発信に留意し(PMPでも随時発信します)柔軟に対応することが現実的な取組姿勢となります。